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Romance夢紀行

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Emerald Blaze/イローナ・アンドルーズ(後編)

※ ※ ※ ネタバレあり ※ ※ ※ 
辞書を使わず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね

第11章 次の面談はシェリル・カステラーノです。彼女は一族の当主で、寡婦で、3人の子供がいるようです。建築会社を経営していますが、多数のボランティア団体で精力的に活動していて、篤志家として知られています。通常自分の興味のある分野のいくつかの団体に寄付するのが普通なので、少し奇妙に思えるのは、彼女は少額を多数の団体に寄付するスタイルで、そのアピールは欠かさないようです。例えばネバダとコナーは影で彼女よりも多額の金額を寄付していますが、本当に困った人に渡るようにしていて、公にはしていません。

カステラーノの会社に向かう途中、アルバート・レイヴンスクロフトから連絡が入ります。夕食の誘いですが、仕事で予定がはっきりしないというと、夜中の1時だって君がプルコギを食べたいと言えば持っていくよと言ってくれますが、カタリーナは内心食べたかったら自分で買いに行くからと思っています。アレッサンドロが焼きもちを焼いてきたので、カタリーナは彼と寝ていないけれど、ヒューストンの半分の人間と寝ていたってあなたには関係ないといいますが、君を守るのに大いに関係があると言い返します。仕事に集中したいから、一緒に面談にくるならこの話はここまで、といって相手の会社へ乗り込みます。

シェリルは終始物柔らかな受け答えで、7/15にどんな風に過ごしたのか話し、ピットの獣を駆除するために放った機械獣のクラーケンの詳細について説明してくれます。同席した男性はテレパシーと思念を汲み取る2種類の魔力を持ち、カタリーナの意識の表層を探る役目を負っているようでしたが、気づかれないようにカタリーナが魅惑の魔法をかけ、帰り際に電話番号を教えてください、と言い出してシェリルに制止されていました。

帰宅する車のなかで、カタリーナは証拠はないけれど、彼女がフェリクスを殺したと思うとアレッサンドロに言うと、彼も同意します。彼女がアリバイとして会食相手にグロリアの名前を挙げたのは失敗だったわね。彼女はオリヴィアの親友だったから、コーネリアスのことも彼の捜査に協力したベイラー家のことも毛嫌いしているし、彼女のことは分析していてわかっているの。シェリルとはボランティア団体で知り合い程度かもしれないけれど、仲良くなんかない。グロリアの金曜日の夜の過ごし方は、母親と、母親の友人でものすごいお金持ちのおばあさんたちと安いワインをすすりながら数ペニーをかけてポーカーを楽しむの。でも、もしも7/15の予定について聞かれたら、グロリアも友達たちも口をそろえてシェリルのアリバイを補強することは間違いない。

疑問だったフェリックスの首を吊っていた電線コードだけれど、シェリルなら無機物を自在に動かせるから、フェリックスを程よい場所におびき出して、一瞬で首をコードでひっかけ吊るしてしまえば即死だったと思う。足の火傷の跡は・・・。アレッサンドロ、あなたが魔法で呼び出すとき、呼び出したものがどこから来たのかわかる?と聞いて、アレッサンドロがマラットを沼から救出する際に呼び出したブロートーチは水中から呼び出したことを確認します。おそらく、フェリックスを殺した晩にも、フェリックスの遺体が沼の近くにあったらピットの怪獣たちが襲って沼に引きずり込もうとしたんじゃないかしら。シェリルは用意してあったブロートーチで遺体の足に噛みついていた彼らを追い払って、そのまま武器は水中に捨てたのかも。なんでそこまでして死体を守ったのかがわからないというカトリーナに、アレッサンドロはもしもフェリックスの遺体が見つからなければ、ランダーは行方不明の届を出し、開発事業はストップさせ、ピットを隅々まで捜査させただろう。おそらくシェリルはピットを捜査させたくなかったんだ。

カタリーナは敷地内にある警備責任者のパトリシア・タフトの家をノックします。妻のレジーナはシェリルと同種の能力者です。カタリーナが質問すると、レジーナは実際に金属の部品を使いながら機械獣の構造やデザイン、仕組みを説明してくれます。現地で死んだ機械獣から落ちた指輪の残骸をレジーナに見せ、ピットにいる意思を持った獣は、シェリルが機械獣に血清を与えて変化させたものではないかという疑いをカタリーナが口にすると、レジーナは彼女の手を固く握り、その生き物とシェリルを抹殺すると約束して頂戴、と強く求めます。カタリーナは、必ず殺すと約束します。獣はどうやって殺したらよいかカタリーナが聞くと、シェリルはもうその獣をコントロールできないし、一度コントロールされた獣は他の能力者にも制御できない。燃やすか、酸で溶かすか、破壊するか。思いつく限りの手段でやって頂戴。

第12章 疲れて帰宅したカタリーナはマラットに電話し、ピットの施設を閉鎖して従業員を引き上げるようにと通告します。損害が、と抵抗するマラットに、ピットの獣をどうにかして倒すまで、あそこは危険なの。私の父は亡くなったんだけれど、彼ともう一日話すことができたらと思う。あなたの家族にとって、あなたがそばにいてくれるのと、お金だけが残されるのではどちらがいいかしらと説得します。

翌朝、ライナスから連絡があり、私の仕事にアレッサンドロを借りるからと言われ、ライナス一人でかたずけられないと判断するほど危険な仕事はなんだろうと思い、二人の身が心配になるカタリーナ。レオン、アラベラ、コーネリアスと一緒にタチアナ・ピアースの面談に向かいます。

コーネリアスの希望で、彼とカタリーナが実際にタチアナに会います。会議室に通され、会話を始めるとタチアナは相手をバカにした言動ですが、コーネリアスが自分がピアース家と自分の親によってアダム・ピアーズの罰を代わりに請け負う役目をおったためにどれだけひどい目にあってきたのか、なぜピアース家を嫌悪するのかを詳しく説明すると、タチアナの態度がかわります。あなたの両親はあなたを差し出したことで利益を受けたかもしれないけれど、それを選んだわけではない貴方自身がうけたひどい仕打ちについては申し訳なく思う。私自身も両親の期待と虐待に押しつぶされそうになっていて、弟が超一流の能力を遅咲きで発現させてくれたときには嬉し涙を流したことを話します。もうこれ以上、あの人たちに自分の人生を台無しにさせたりしない。フェリックスについては、亡くなった日の午後、評議会の建物の駐車場で本人と会ったことを話してくれ、後悔をみせます。

面談を終えたコーネリアスとカタリーナは、タチアナ・ピアースは白だという印象を持ちます。アルカンは今回カタリーナたちの弱点をついてくる作戦をとっているため、マチルダが心配だとカタリーナが口にすると、コーネリアスはマチルダを連れてダイアナの邸宅に避難すると言ってくれます。

カタリーナはレオンとアラベラと、ステファン・ジャンのオフィスに向かいます。調査書によれば、彼は若いころから家業に邁進しているようで、本人にいちいち確認するとその通りのようですが、カタリーナが会話のトリックで彼をひっかけ、自分が中国ドラマに出演していることをうっかり口にしていしまいます。弟が18歳のときに俳優業に足を踏み入れてしまい、親族は辞めさせたがっているため自分を中国に派遣したけれど、弟が自分がいいと思っている世界を知って欲しいと、帰国の条件に兄が自分の出演しているドラマに一緒に出演してほしいということで、ステファンも出演していたようです。

彼の他のメンバーへの印象は、フェリックスは嫌いだった。いい友達ぶって、みんな幸せっていうふりをしたがるタイプで。マラットはマナーはなっていないけれど、猛烈な仕事人間で誠実だ。家族の面倒をみようとしている。タチアナはなんでも燃やせば解決できると思っている。シェリルは、あの中国ドラマに出てくる継母みたいなかんじだ。表では慈母のようにふるまい、裏ではヒロインを拷問している。すべての行動に裏がありそうな感じが似ているように感じる。

ビルを出てくると、駐車場の出口にスパイダーが停められ、そばに立ったアレッサンドロがカタリーナに微笑みかけてきます。レオンが伯爵が現れたぞと言いますが、カタリーナがあれは彼じゃない、と言うと途端に銃撃戦になり、カタリーナはアラベラの頭を押しながらメルセデスの陰に隠れ、レオンが狙いをつけずに撃ち返します。音がおさまって、身体を起こしてみると、死体は9つ。アレッサンドロに化けていたやつにレオンが近づいていくと、今度はオードリーそっくりに変身し、助けて、撃たないでと嘆願してきて、カタリーナとアラベラは胸がむかつきますが、レオンは相手の目を撃ち抜いて終わりにします。アラベラに車に戻って顧問弁護士に連絡して、と頼んでレオンのところにいくと、まわりの死体に初めて気づいたようで、ショックを受けていました。突然、カタリーナの身体に何かがぶつかってきて、川へ引きずられていきます。

川の怪物がピットへとカタリーナをさらおうとしているようです。川に引きずり込まれますが、殺さないよう、息継ぎをさせてくれますが、歌で魔法をかけようと声をだすと、空気が肺に十分ないままに引きずり込まれてしまいました。死んでしまうと感じて必死に魔法を全開にして、ピットの怪物に窒息するイメージを送ると、橋の下の浅瀬にあげてくれました。つながった意識からは、その存在は男性的な意識でカタリーナにひかれていて、ピットでの生活がいかに素敵かというイメージが送られてきて、通路の警備員を水中に引きずり込み、魚たちは肉をついばみ、怪物は新たに生み出した四つ足の獣に警備員の脳を埋め込もうとしていて、カタリーナはやめて!と叫ぶとイメージが止まります。ピットの本体とは別の意識を持ち、行動できる個体がまた水中へカタリーナを引きずり込もうとしています。カタリーナは翼を出し、歌を歌い始めます。二人が魅了され、つながりが分断されたようですが、そばにいる個体はにじり寄ってきました。そこにアレッサンドロが現れ、ライナスの剣で相手を突き刺し、倒してくれます。ライナスはアレッサンドロにも剣を与え、アルカンのヒューストン事務所を襲撃していたようです。アレッサンドロは君は生きてる、といってカタリーナを抱きしめ、キスをします。アリエス医師に再び治療してもらったあと、トレメインの祖母に会いにいきます。

第13章 アレッサンドロが、なぜシェリルがオシリス血清を使ったのかわからないと言い出します。カタリーナは構築物に血清を与えたと思っていましたが、血清は人間にしか効かないそうです。子供もいて、事業も成功していて、一族の当主でもある人物がなぜ?

怪物たちが、人間から脳を引きずり出して、構築物に入れ込むのはなぜなのか。カタリーナの魔力は動物には作用しないが、怪物たちには一定の効果があるよう。シェリルは構築物に判断力を持たせるために、テレパシー能力をもつ男性の脳を埋め込み、オシリス血清を与えたんだとアレッサンドロは考えます。このことが公になれば真似する奴が出てくる。シェリルは死ななければ、それも一刻も早く。

ヴィクトリアにモートンの一件を説明しますが、牢獄にいながらにしてカトリーナよりも開発側の超一流たちの情報を持っていました。シェリルについてはこの半年寄付金が倍増しているけれど、罪悪感からだとしたら何についてのかしらと考えこんだので、カタリーナは私が探り出しますと申し出ます。レオンのストーカーの件がアルバート・レイヴンクロフトから漏れて、一族の危機を招いたことをヴィクトリアは重要視し、汚れ仕事は好きになれなくてもいいけれど、やらなければならないことはやらないといけない。あなたがやらないなら、私がやると言ったため、カタリーナが自分で対応できますからと言います。祖母にまかせたらレイヴンクロフト家はなくなってしまうでしょう。ヴィクトリアは気に入らない様子で、上手くさばけないようなら、ネバダの産む息子を取り上げるという脅しをやんわりとかけてきます。あなたのひ孫でしょう、というとあれはコナー家のもの。アローサが溺愛すればいいのよ。あなたの子供、そしてもしかしたらアラベラの子も私のひ孫になるとヴィクトリアは言っていました。カタリーナは、もしも広い範囲に広がっていて逃げ道を持つ敵が複数いた場合、どうやって全員を殺したらいいでしょうかと質問すると、ヴィクトリアはようやく興味深い質問が出てきたわね、といって助言してくれます。簡単よ、リーダーの欲しいものを与え、リーダーに部下を集めさせて、一網打尽にするのよ。

カタリーナは待っていたアレッサンドロの車に乗り込むと、途中で脇道に入ってもらい、以前来た時に偶然見つけた駐車場に車を停めてもらいます。動揺して震えが止まらないでいるとアレッサンドロが抱きしめてくれます。これからアルバートと話をつけてくるというと俺も行く、というのでカタリーナはもしあなたをここからどかせられたら、一人で行かせてくれる?と提案します。指で彼の腕をたどり、うっとりしている彼の腕を掴むと、背中を軸に背負い投げをかけて地面に投げ飛ばしました。アレッサンドロは手を使わずに立ち上がり、目を輝かせて誰に習ったんだ?と聞いてきたものの、ここからは一人で帰れる、夕方会おう、と言ってその場で別れます。

レイヴンクロフト家ではカタリーナは大喜びのアルバートに迎えられます。レオンとストーカーの子について誰かに話した?大事なことなの、とアルバートにいうと父さんに話したかもしれないと言うので、書斎にいる父親のところへ案内してもらいます。誰かにそのことを話しましたか、と聞くと初めは知らないふりをして、そのうち怒りだしたため、カタリーナは持ってきたタブレットを出します。ある湖のそばで工場建設する計画が持ち上がったものの、地元民はきれいな水と環境を守りたいからと平和的なデモと抗議活動を始めたそうです。カタリーナはタブレットで動画をみせます。世論を味方につけるべく建設会社はサイオニックを雇い、デモ隊に魔法をかけ、暴動へ発展させましたが、動画では、アルバートの父親が一族の魔法をデモ隊にかける様子が写っていました。カタリーナはこの動画をライナスから入手したようです。アルバートの父親は、カタリーナが新興の一族で、祖母のヴィクトリアが監獄から出てきたらすぐ八つ裂きにされるから、息子の相手には相応しくないと考え、クラブでベイラー家についてなにか知らないかと声をかけてきた若いテレキネシスの男性にレオンにストーカーがいることを話したようです。それきりのことで、相手の名前も何もわからないようでした。アルバートは父に怒りますが、魔力を発散させ黒い翼をはやしたカタリーナを見て、父親は私の判断は正しかった、君にはうちの息子は勿体ない、と捨て台詞をはいていました。

第14章 ヴィクトリアへの恐怖を物語るアルバートの父の表情を思い出しながら、カタリーナは生き残るために祖母のふりを続けていたら、自分も祖母そのものになってしまうのかもしれないと思います。そうなりたくはないけれど。無知だったころに戻れたらと願います。

ヴィクトリアに報告の連絡すると、お前の乞食王子のアレッサンドロが私に会いに来て、わたしを脅していったわよと言います。カタリーナは青ざめますが、幸いヴィクトリアは面白がったようで、見逃したようです。

アレッサンドロを怒鳴りつけたい気分で帰宅すると、ネバダが待っていました。カタリーナがヴィクトリアと会っていたことに気付き、明日彼女に会って干渉するのをやめるようにいうというので、カタリーナは言うまいと思っていたことを口にします。

コナーが子供売春やレイプをしている映像があり、ベリーズのジャングルでの苦難を共にした15人のうちの一人が、それが彼だと証言すると脅迫してきたことがあったようです。そのためネバダはローガン一族とベイラー一族を分離しておくために、具合が悪くなった機会に乗じてカタリーナに当主を任せたようです。もちろん動画のコナーは別人ですが、どれだけ脅迫者を見つけようとしても見つからず、あるとき匿名の無言電話があり、追跡してみるとそこに脅迫者の死体があり、あれはコナーではなかったという直筆の証言が残されていました。

どうしてそのことを知っているのとネバダが驚くと、あれはヴィクトリアの忠誠心のテストだったの。ネバダがベイラー家とローガン家どちらに忠誠心を置いているのかの。あなたは落第。ヴィクトリアがどうやってあなたたちに罠をかけるのかそばでみていたわ、必要になったときに同じことが出来るようにと言われて。もしも明日、あなたがヴィクトリアを攻撃すれば、彼女は攻撃に十分備えているから、あなたと赤ちゃん、そしてあなたたちをかばって私も死ぬことになる。それでは私たちの負け。ヴィクトリアは私を後継者として育成しようとしているの。ヴィクトリアを罠にかけるために私は準備を始めているけれど、完成するのに数年かかる。私を信頼して任せてもらえないかしらとカタリーナは頼みます。

カタリーナはここにうつってきてすぐに自分の場所として宣言した屋上にやってきます。居心地よく過ごせるよう、家族のみんなが電気を配線してくれたり、椅子を置いてくれたり、それぞれができることをしてくれました。限りなく孤独な気分で、アレッサンドロにいまどこにいるの、とメールします。返信はありませんでしたが、さらにパトリシアにこれから客がくるけど、彼をお通ししてとメールします。気が付くとアレッサンドロが手すりのところに現れていました。

半年前、別れたあとに何があったの?と聞くと、アルカンを追跡していたが、なかなか捕まらなかった。でも相手も逃げ回るのが面倒くさくなったのかもしれない。モントリオールの塔がたくさん立つウィスキー醸造工場で彼と、4人の超一流と対戦することになった。3人までは倒したんだが、最後に残ったテレキネシスに塔から突き落とされた。落ちた瞬間の記憶がないが、目覚めたら激痛に襲われて、君の顔が浮かんだ。止めをさされずラッキーだった。足が複雑骨折していたが、もう一度会いたいと思って、必死でもがいてすすんでいると、誰かが救急車を呼んでくれて次に目覚めたら病院だった。

カタリーナは何時間も一人で激痛に苦しんだアレッサンドロを思い、涙を流します。アレッサンドロは君を泣かせたいわけじゃない。情報収集していると、君の名前がアルカンと手下の間の連絡で出てきた。君を絶対に守るよと話します。君はヴィクトリアと何を約束したんだ?

カタリーナはあなたをあきらめる約束をしたのと告白します。ダイアローグ社であなたが姿を消した時、その居場所を知っているのがオーガスティンだけだった。彼と取引する材料が欲しくて祖母と取引したの。彼女は情報と引き換えに、私がベイラー家を一生背負うことを要求したわ。あなたの過去3回の婚約では名門の令嬢で、伯爵夫人として家におさまる女性を一族は選んできた。私はその基準に満たないし、ここを離れられないと言います。アレッサンドロは一族はどうでもいい、君を愛してる、俺は君から離れられないと言い、カタリーナは初めて恋心を一切隠さずに魔力を解き放って翼が広がり、それみたアレッサンドロは雷に打たれたようでした。二人は気持ちを確かめあいます。

第15章 カタリーナはアレッサンドロの腕のなかでうとうとしていましたが、バグから携帯に連絡がきて目が覚めます。アレッサンドロに最新のドローンを壊されておかんむりです。ネバダの悲鳴がフリーダおばあちゃんの工場から聞こえてきて、毒よ!というのでアレッサンドロは直接工場へ向かい、カタリーナは急いでシャツを羽織りルナを探しに行きますが、ルナはバーンの部屋から下着姿で出てきました。

おばあちゃんの心臓マッサージをアレッサンドロがすでにはじめてくれていて、ルナが毒の特定と解毒を始めます。おばあちゃんの意識が回復し、家族はほっとします。クモに刺されたと思ったら意識がなくなった、とおばあちゃんが言ったので、部屋を見渡すと、工具箱が壁にガンとぶつかり、その近くにクモがいました。カタリーナは殺さないで! と叫びますが、工具箱はクモにぶつかって潰してしまいました。そこにコナーが現れます。

ネバダは、おかえりなさい、あなた。私たちの子供が魔力を持つかどうか気をもんだけれど、もうその必要はないみたいねといってコナーを出迎えます。どうやらお腹のなかの子の超能力が特に高いと母親に発現する現象があるようで、コナーの母親もそうだったようです。生まれてしまうと、母親からはその能力は消え、コナーに再び魔力が発現したのは5歳のときだったそうです。

ルナがうっかりカタリーナが副監督官だということを家族の前でばらしてしまいますが、秘密を知ったものは処分されるというルールなので、この秘密はこの部屋で納めること、と母が厳命します。

みんなが部屋にひきとり、最後にカタリーナとアレッサンドロが残ります。僕が君に値しない、といったのは本気なんだ。君にあげられるのは僕自身しかない、というとカタリーナはそれで充分と返事します。アレッサンドロが帰りたくない、というとカタリーナはいてほしいと頼み、刀でいっぱいの寝室に案内します。

第16章 翌朝、アルバートが訪ねてきます。カタリーナの後ろで、コナーとアレッサンドロがコーヒーをもって観察しているなか、自分との交際を考えてほしいと懇願しますが、私はあなたのことを愛していないから、と断ります。アレッサンドロに戦いを挑み、まず負の感情をぶつけますがアレッサンドロに無効化され、つぎに腕力で殴り掛かっていきますが、軽くひねられていました。

そこにネバダがやってきて、破水したと言うので、コナーもカタリーナも大慌てですが、カタリーナにステファン・ジャンから連絡があり、ピットの獣がマラットを捕らえて殺そうとしている、いま戦っているところだが応援に来てほしいとのことでした。カタリーナは迷いますが、ネバダが行って、と言ってくれアレッサンドロとリノに飛び乗り、現地に急いで向かいます。

現地はタチアナ・ピアースがうみだす炎の壁の熱気と、沼から途切れずに上陸してくる獣でさながらアルマゲドンの様相でした。車でそばまでいき、タチアナのそばをすり抜けると奥のビルの上にステファン・ジャンがいたので、そこを目指します。カタリーナがまだ沼に引きずり込まれたマラットの精神を感じられ、生きていると証言したので、水の壁を作り、マラットを捕らえている獣を攻撃します。

シェリルが機械の獣たちを引き連れて現れますが、そこに乗っているのはアルカンのメンバーたちで、ピットの秘密を守るために、事情を知っているすべての人間を抹殺しにきたようです。

アレッサンドロは一族の魔法陣をかき、現場のすべての魔法を無効化する魔法をかけ、魔法を奪われて呆然とするシェリルの軍隊をプロトタイプの剣で抹殺します。

カタリーナは祖母の助言を思い出し、工夫した魔法陣で、自分の魔力を高めつつ、意識はなくならないように調整し、呼び寄せるセイレーンの歌を歌います。ピットの化け物たちはカタリーナを目指して集まり始めました。様々な種類の獣が一体の塊になり、その中から人間の男性の姿が現れ、カタリーナのことをこちらへおいでと呼びます。ふらふらと寄っていきたくなりましたが、最後の瞬間にカタリーナ!と呼ぶ声が聞こえ、ライナスの剣で相手を突き刺します。相手は全精力を傾けて人間の形を造り出していたため、これで退治できたようです。

第17章 相手と意識がつながっていた余波か、カタリーナは現実味がなくなってしまいましたが、アレッサンドロがヘリどこかへ連れて行ってくれ、言われるままに血や汚れがついた顔をぬぐい、病院の予防衣を着せられ、ネバダや家族みんなが集まっている部屋に通されます。ネバダが「おめでとう、おばさん」と言って腕に抱いている布の塊を差し出してきます。ちっちゃな真っ赤な顔の甥っ子が手をのばしてきたので、そっと指を触りました。赤ちゃんを抱き上げると、すべての現実感が戻ってきて、床に座り込んでカタリーナは泣きました。

翌朝、テキサス評議会の超一流しか出席できない上級裁判の場にカタリーナはアレッサンドロと出席していました。ランドーも孫たちを連れてきていました。シェリルはアレッサンドロが魔法を無効化した時点でうまく逃げ出していて、上流階級にボランティア等で恩を売っている彼女は超一流たちに囲まれ、フェリックス殺害の罪だけで裁かれるなら、それほど重罪にならないだろうと高をくくっている様子です。カタリーナはフェリックス殺害の経緯について血清以外の部分をランダーに報告を済ませていて、ランダーは聞こえがよしに「あれがお前たちの父親を殺したやつだぞ」と話しかけています。傍聴する黒いマントを付けた超一流たちも次第に増えてきます。ライナスはシェリルの工房の彼女のサンプルからオシリス血清の痕跡をみつけていました。アレッサンドロが最後の仕事で彼女を殺せなかったのは悔やまれると言ったのでカタリーナは驚きます。彼女から離れないと言ったのは本気で、暗殺業は引退するつもりのようです。彼女たちの席の後ろに見覚えのある人物が現れ、カタリーナは驚きます。グザビエ(※)でした。彼から感じられるパワーは超一流のものですが、最後に会った時にはランクは優秀だったのになぜ? それにピットで棘を使って攻撃してきたのと同じ気配がする。グザビエはオシリス血清を使って魔力を進化させたと告白します。アレッサンドロをモントリオールの塔からテレキネシスで突き落としたのも彼でした。

グザビエはアルカンと敵対しているアレッサンドロだけでなく、カタリーナのことも家族の秘密を洩らしたといって逆恨みしているようで、嬉しそうにアルカンからの伝言を伝えてくれました。アレサンドロをモントリオールで殺さなかったのは、彼の目の前で父親を殺したのだから一度は見逃すと考えたからだったそうです。二人の仲を裂くように、と命令されたので、ある事実を伝えようと思う。

アレッサンドロの見かけは偽物だ。彼の一族は文無しで、18世紀から借金を重ねている。車は? レンタル。衣装は? 中古。写真は? 見せかけだ。アレッサンドロは無表情です。彼の得意なことは暗殺と護衛術だけ。祖父には、身なりを整え、財産を持っている令嬢と結婚するのが人生の目的と育てられた。3度結婚に抵抗して、一族からは除名されている。もう伯爵でもない。アレッサンドロが後悔して便宜結婚を受け入れたときのために公にはされていないが。彼はプラスチック製の王子様だ。世界中の殺し屋を殺して回って、稼いだ金も、ほとんど母親と妹たちに送金している。彼は退屈そうに見せていましたが、誇り高い彼がどれだけのことに耐えてきたのか、カタリーナは胸を痛めます。おまえは長生きできないわよ、とカタリーナはグザビエに言い放ちます。そういえば祖母はアレッサンドロのことを乞食の王子と言っていたから、このことを知っていたんだわ。これでたくさんのことが腑に落ちました。

アレッサンドロに対しても、お前も知っておくべきだ。カタリーナは姉同様、金の斧だ。彼女の一族全体が。金も、称号も、一族も持たないお前は彼女にとって価値がないんだよ。家にかえれ。言うことは言ったからこれで帰るかなといってグザビエは消えました。

ショーが始まるぞ、といってライナスが現れました。シェリルの弁護側がフェリックス殺害の容疑をあやまってかけられたと訴えますが、もっと重要な案件で疑いがかかっています、と司会役の評議員が封筒に入れられたメッセージを読み上げます。カステロ家当主のシェリル・カステラーノは人類と非合法の魔法の実験によってアメリカ評議会の法に抵触した疑いがあり、勾留します。鎖がシェリルを拘束し、赤いローブでフードで顔が隠された2名の執行官が彼女を連行していきました。違う地域の執行官で、ライナスたちの身元のカムフラージュになってくれているようです。

アレッサンドロは黙り込んでいましたが、話し合わなくてはと言います。彼が言ったことは本当だ、と告白します。この10年で6000万ドル稼いで、自分の口座には経費として5万ドルしか置いていないが、借金と母親と妹たちの生活費に消えてしまう。でも14歳のときからエージェントのような仕事をするようになった上の妹が、血塗られたお金を受け取るのを拒否するようになってしまった。兄さんが死ぬかもしれないと思いながらお金を受け取る罪悪感には耐えきれないと。君には俺自身しかあげられない。暗殺者は廃業で、守りたいのは君だけだ。確かにプラスチック製の王子かもしれないが、超一流として育てられもしたから結婚に何が求められるかはよくわかっている。一族を安定させる結婚、政治的、財政的なコネ、同盟、富、セキュリティ。僕にはなにもない。自分から去ることはできないが、君に行けと言われたらその通りにする、煩わせたりしないよと言います。

アレッサンドロに言われたことをカタリーナは思い出します。君は美人で、明晰で、もし君が危険でもあると他の奴らが知ったら、君は求婚者の山に押しつぶされるよ。

カタリーナはアレッサンドロに言います。あなたは世界で一番のメンタルディフェンダーだということをこの前のピットで証明したと思う。あなたは強くて、熟練していて、教養高く、瞬間的な判断を下す素晴らしい頭脳を持っているわ。あなたはあまりよく知らない子供たちを助けるために暗殺者いっぱいのビルに乗り込んでいった。ヴィクトリア・トレメインを面と向かって脅して、彼女はあなたの振る舞いが文句がつけようがなく、チャーミングだと言って見逃したの。他の誰がそんなことをできる? 何の得にもならないのに私の家族にも優しくしてくれた。そして私のことを愛してくれている。わかっている? この瞬間、これからの人生、私が欲しいのはあなただけ。お金もコネも評判もどうでもいい。あなたがうちに来てくれたら、世界で一番幸せよ。次の瞬間、アレッサンドロに抱きしめられ、キスをされます。私といてと頼むと、ずっと、とアレッサンドロは約束してくれます。

エピローグ 病院に老婦人と若い男性が訪ねてきて、年配の男性と待っていた看護婦が部屋に案内します。赤ん坊についてきた護衛二人は魔法をかけられ追い払われます。フォートノックスなみに警備されている赤ん坊です、15分ですよといって赤ん坊を渡されます。人払いをすると顔をのぞいて「なんて可愛いの」喜び、年配の男性は笑顔を見せます。「見て、世界で一番りっぱな赤ちゃんじゃない?」と若い男性に問いかけると「おっしゃる通りです、奥様」とトレヴァーが答えていました。(終)

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【名前について】
※以前Diamond Fireにも出てきていたXavier、そちらのなんちゃってあらすじで深く考えずグザビエとあてたので、今回はそちらに揃える意味でそうしたのですが、いま少し調べてみたら、もともとポルトガル語の名前のようで、ポルトガルではザビエルと読むようです。フランス語読みだとグザビエと読めるようなのですが、スペイン出身の彼なので、ザビエルのほうが正しいかも? 

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※ その他のなんちゃってあらすじ ※
Diamond Fire(イローナ・アンドルーズの未翻訳作品「深紅の刻印」の後日譚)​なんちゃってあらすじ
The Kinsmen Universe (イローナ・アンドルーズの未翻訳・読み切り短編集) ​なんちゃってあらすじまとめ
ブログ管理人の過去に読んだ洋書 ​なんちゃってあらすじまとめ​​


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